Netlifyとエックスサーバーを両方で本番運用して分かった使い分け|「どちらが安いか」ではなかった
静的サイト4つをNetlifyで、会社サイトをエックスサーバーで運用しています。両方に本番を置いて分かったのは、比較すべきは料金でも速度でもなく「サイトが何年後にどうなっているか」でした。
結論:作るものによって答えが変わる
| こういうサイト | 選ぶもの | 理由 |
|---|---|---|
| 静的サイト・LP・ポートフォリオ | Netlify | 無料で足りる。コマンド1行で公開できる |
| WordPress・メール・PHPが必要 | エックスサーバー | Netlifyでは動かない |
| 会社の公式サイトで、担当者が更新する | エックスサーバー | 管理画面から触れる |
| 自分ひとりで管理する | Netlify | 触るのが自分だけなら、速いほうがいい |
料金で選ぶ話ではありませんでした。 「誰が、どうやって更新するか」で決まります。
実際の運用状況
比較の前提として、何をどちらに置いているかを書きます。
Netlify(無料プラン)
- 学習アプリ2本
- ポートフォリオサイト
- このサイト
4サイトを本番で動かしていますが、無料プランの上限に達したことはありません。
エックスサーバー
- 会社の公式サイト
こちらはFTPでファイルを送る形で運用しています。
更新のしかたが根本的に違う
一番大きな差はここでした。
Netlify:コマンド1行
netlify deploy --dir . --prod
フォルダの中身をそのまま本番に反映します。数秒で終わります。
--dry-run を付ければ、実際には送らずに「何がアップロードされるか」だけ確認できます。公開前の確認がコマンドで完結します。
エックスサーバー:FTPで送る
管理画面またはFTPでファイルを送ります。ここが決定的に違うのは、コードを書かない人でも触れるという点です。
自分ひとりで管理するならNetlifyが速い。しかし会社の担当者がサイトを更新するなら、管理画面から触れる形のほうが現実的です。
これは技術的な優劣ではなく、運用体制の問題でした。
無料でどこまでいけるか
Netlifyは無料プランのまま4サイトを運用できています。個人サイトや小規模なLPなら、費用ゼロで完結します。
ただし前提があります。
- 静的サイトであること(HTML/CSS/JSのみ)
- WordPressは動きません
- PHPも動きません
- メールアドレスは作れません
「独自ドメインのメールアドレスが欲しい」という時点で、Netlifyだけでは完結しません。ここは意外と見落とされます。
エックスサーバーは有料ですが、WordPress・メール・データベースが最初から使えます。 何ができるかの幅が違います。
独自ドメインの扱いで詰まった話
両方を触っていて、一番時間を溶かしたのがここでした。
エックスサーバーでドメインを取り、サイトはNetlifyに置く——この組み合わせで、丸一日つながりませんでした。
原因は2つあり、どちらも「知らないと絶対に分からない」種類のものでした。
- エックスサーバーにはネームサーバーが2系統ある(レンタルサーバー用と、外部サービス用)
- サーバーパネルにドメイン設定を追加すると、SSL証明書の発行が止まる
詳しくはエックスサーバーで取ったドメインをNetlifyで使う正しい手順に、実際のエラー出力つきで書きました。
この2つを知っていれば10分の作業です。知らないと一日かかります。
つまずきやすい点
Netlifyは「公開フォルダの中身が全部出る」
publish = "." と設定すると、そのフォルダに置いたものは全部配信されます。
作業用のスクリプトやメモを同じフォルダに置いていると、URLを直接叩けば誰でも見られる状態になります。学習アプリを作ったとき、元データを公開フォルダに置いたまま気づいて移動しました。
公開するフォルダと作業するフォルダを分けるのが対策です。
レンタルサーバーは契約期間の縛りがある
Netlifyは使わなくなれば止めるだけです。レンタルサーバーは12ヶ月契約などの縛りがあることが多いので、試しに借りるという使い方には向きません。
逆に言えば、長く運用する前提のサイトなら、その縛りは問題になりません。
移行は思ったより面倒
「あとで移せばいい」と考えがちですが、独自ドメインを設定した後の移行はDNSの切り替えを伴います。上に書いたとおり、そこが一番詰まる場所です。
最初にどちらで運用するかを決めておくほうが、結果的に早く済みます。
よくある質問
NetlifyでWordPressは使えますか?
使えません。Netlifyは静的サイト向けのホスティングで、PHPやデータベースが動きません。WordPressを使うならレンタルサーバーが必要です。
Netlifyの無料プランで個人サイトは足りますか?
静的サイトであれば足ります。実際に4サイトを無料プランのまま本番運用していますが、上限に達したことはありません。ただし帯域やビルド時間には上限があるため、最新の条件は公式サイトでご確認ください。
独自ドメインのメールアドレスは作れますか?
Netlifyでは作れません。メールが必要な場合はレンタルサーバーを契約するか、メールだけ別のサービスを使う必要があります。この点はNetlifyを選ぶ前に確認しておくべきポイントです。
会社のサイトはどちらで運用すべきですか?
誰が更新するかで決まります。担当者がコードを書かないなら、管理画面から触れるレンタルサーバーのほうが現実的です。自分ひとりで管理するならNetlifyのほうが更新が速く終わります。
まとめ
両方に本番を置いて分かったのは、比較すべき軸が料金でも速度でもなかったということです。
- 静的サイトを自分ひとりで管理する → Netlify。無料で足りて、更新が1行で終わる
- WordPress・メールが要る/担当者が更新する → レンタルサーバー
そして両方を組み合わせる場合は、DNSの設定でつまずきます。 そこだけは事前に手順を確認してから着手してください。